歯ぎしり、食いしばり
- Q. 歯ぎしりの原因は何ですか?ストレスだけでしょうか?
- A. ストレスは大きな要因の一つですが、それだけではありません。
現代社会においてストレスによる精神的な緊張が筋肉の強張りを引き起こすことは多いですが、他にも「噛み合わせの不調」「飲酒・喫煙」「逆流性食道炎」「睡眠時無呼吸症候群」などが複雑に関連している場合があります。当院では多角的な視点から原因を探り、最適な対策をご提案します。 - Q. 子供が寝ている時にギリギリ音を立てています。大丈夫でしょうか?
- A. お子さまの歯ぎしりは、多くの場合「成長の過程」によるものです。
乳歯から永久歯への生え替わり時期に、新しい歯の位置を調整したり、あごの筋肉を鍛えたりするために本能的に行っている「生理的な現象」であることがほとんどです。基本的には見守って大丈夫ですが、歯の摩耗が非常に激しい場合や、朝起きてあごの痛みを訴える場合は、一度ご相談ください。 - Q. マウスピース(ナイトガード)は一生使い続けるものですか?
- A. 症状や習癖の改善度合いによります。
「行動認知療法」によって、日中の食いしばり癖(TCH)が改善され、睡眠中の力みが緩和されれば、マウスピースを卒業できる方もいらっしゃいます。一方で、ストレス耐性や骨格的な要因で長期的な保護が必要な方もいます。定期検診で歯の削れ具合を確認しながら、継続の必要性を判断していきます。 - Q. マウスピースを付けると、余計に気になって眠れなくなりませんか?
- A. 最初は違和感がありますが、多くの方は数日から1週間程度で慣れていかれます。
当院のマウスピースは、精密に型取りを行ったオーダーメイド品のため、市販品に比べて違和感が非常に少ないのが特徴です。どうしても気になる場合は、厚みを調整したり、装着時間を少しずつ延ばしたりといった工夫をアドバイスいたします。 - Q. 歯ぎしりを放置すると、将来どうなりますか?
- A. 歯を失うリスクだけでなく、見た目や全身疾患にも影響します。
歯が割れて抜歯が必要になったり、被せ物が何度も壊れたりするだけでなく、噛む筋肉(咬筋)が発達しすぎて「エラが張った顔立ち」になることもあります。また、慢性的な偏頭痛や肩こり、顎関節症の悪化など、全身のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を大きく下げてしまう恐れがあります。 - Q. 自分でできるマッサージやストレッチはありますか?
- A. 咬筋(こうきん)や側頭筋(そくとうきん)をほぐすのが効果的です。
頬の横やこめかみ付近にある、噛む時に使う筋肉をやさしく円を描くようにマッサージしたり、口を大きく開け閉めするストレッチを行ったりすることで、緊張が緩和されます。当院では診察時に、ご自宅で簡単にできるリラクゼーション法を定期的にお伝えしています。 - Q. 歯ぎしりは遺伝しますか?
- A. 歯ぎしりそのものが遺伝するという明確な証拠はありません。
ただし、「あごの形」や「歯並び」、「ストレスの感じやすさ」といった体質的な要素は遺伝することがあります。ご家族に歯ぎしりが激しい方がいる場合、似たような骨格によって同様の症状が出やすい傾向はありますので、早めにチェックしておくことをお勧めします。
「朝起きたとき、あごが疲れいている、重い感じがする」
「歯の先端が削れて平らになってきた気がする」
「原因不明の肩こりや頭痛、耳鳴りに悩まされている」
もし心当たりがあるなら、それは寝ている間や集中している時の「歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)」が原因かもしれません。
歯ぎしりは単なる「癖」ではなく、時に自分の体重以上の力が歯やあごにかかり続ける、非常に破壊的な現象です。
放置すれば、健康な歯が割れたり、重度の顎関節症を引き起こしたり、さらには全身の不調へと繋がってしまいます。
雪が谷大塚の「しみず歯科」では、マウスピースによる物理的な保護に加え、「行動認知療法(リマインディング法)」を取り入れた、習慣そのものを見直す根本的な治療をご提案しています。
歯ぎしり・食いしばりがもたらす症状
歯と歯ぐきに現れる症状
最も直接的にダメージを受けるのが歯そのものです。
通常の食事の数倍から十倍以上の力がかかり続けるため、以下のような変化が現れます。
歯の摩耗(咬耗)
歯の先端が平らに削れ、中の象牙質が見えて黄色っぽくなることがあります。
歯の破折・ヒビ
健康な歯に亀裂が入ったり、詰め物や被せ物が頻繁に欠けたり外れたりします。
知覚過敏
歯の根元が削れたり(くさび状欠損)、強い力で歯の表面のエナメル質に微細なヒビが入ることで、冷たいものがしみやすくなります。
歯周病の悪化
歯を支える骨に過度な揺さぶりがかかるため、歯周病が急速に進行し、歯がグラグラし始める原因になります。
お口の中(粘膜・舌)に現れる「無意識の証拠」
鏡でチェックできる、食いしばり特有のサインです。
痛みがない場合も多いですが、これがある方は要注意です。
頬粘膜の圧痕(あっこん)
頬の内側に、上下の歯の噛み合わせに沿って「白い横線」の盛り上がりができます。
舌の圧痕
舌の縁が波打ったようにギザギザになります。
これは舌を歯に強く押し付けている証拠です。
骨隆起(こつりゅうき)
強い力に耐えようとして、あごの骨がコブのように盛り上がってきます
(上あごの真ん中や、下あごの裏側によく見られます)。
顎関節(あごの関節)に現れる症状
あごの関節は、体の中で唯一「左右が連動して動く」特殊な関節です。
食いしばりはこの関節に過剰な圧力をかけます。
顎関節症
口を開けると「カクッ」「ジャリッ」と音が鳴る、口が大きく開かない、あごの関節自体に痛みを感じるといった症状です。
朝の違和感
寝ている間に食いしばっている方は、起きた瞬間にあごが重だるい、強張っていると感じることが多いです。
全身に波及する不調
お口周りの筋肉(咬筋や側頭筋)は、首や肩、頭の横の筋肉と繋がっています。
そのため、食いしばりは「不定愁訴」と呼ばれる原因不明の体調不良を引き起こします。
緊張型頭痛
こめかみ付近の筋肉(側頭筋)が緊張し続けることで、頭を締め付けられるような頭痛が起こります。
肩こり・首の痛み
噛む筋肉の緊張が、連鎖的に首や肩の筋肉にまで広がり、慢性的なコリの原因になります。
耳鳴り・めまい
あごの関節は耳の穴のすぐ近くにあるため、関節の炎症や筋肉の緊張が耳の機能に影響を与えることがあります。
熟睡感の欠如
睡眠中に強い力を使っているため、脳や体が休まらず、朝から疲労感を感じやすくなります。
症状を悪化させないための「気づき」
食いしばりの多くはストレスや集中時に起こります。
パソコン作業中
スマートフォンの操作中
車の運転中
家事(料理や掃除)の最中
こうした場面で「あ、今歯が触れているな」と気づくことが、治療の第一歩です。
しみず歯科で行う、歯ぎしり、食いしばり対策
物理的にガードする「マウスピース(ナイトガード)」治療
最も一般的で、即効性のある治療法が、夜寝る時に装着するマウスピース(ナイトガード)です。
市販品とは異なり、歯科医院で型取りをして作るマウスピースには大きな役割があります。
歯の摩耗を防ぐ
歯と歯が直接ぶつかるのを防ぎ、マウスピースが身代わりとなって削れてくれます。
衝撃の分散
噛み合わせのバランスを整えることで、特定の歯や顎関節にかかる過度な負担を分散させます。
筋肉の緊張緩和
適切な厚みを持たせることで、噛むための筋肉(咬筋)がリラックスし、朝のあごの疲れを軽減します。
習慣を書き換える「行動認知療法(リマインディング法)」
マウスピースは「守り」の治療ですが、歯ぎしり・食いしばりそのものを減らしていく「攻め」の治療が、行動認知療法です。
本来、人間が安静にしている時、上下の歯は接触していません(2mmほどの隙間があるのが正常です)。
歯が触れ合っているのは、食事や会話の時だけで、1日の合計時間はわずか「15分〜20分」程度と言われています。
もし、集中している時に歯が触れているなら、それはTCH(上下歯列接触癖)です。
当院で行う具体的なアプローチ
気づきの促進
パソコンのモニターやスマートフォンの裏など、よく目に付く場所に「歯を離す」「リラックス」といったシールを貼ります。
リマインディング
シールを見た瞬間に、もし歯が触れていたら離し、肩の力を抜くという動作を繰り返します。
条件付けの書き換え
これを繰り返すことで、脳が「歯は離れているのが正常」と学習し、無意識の食いしばりが劇的に減少します
院長・副院長からのメッセージ|ストレス社会を戦うあなたの「緩衝材」に
現代社会において、歯ぎしりや食いしばりは、ストレスを解消するための「脳の安全弁」という側面もあります。
だからこそ、無理に止めるのではなく、「身体に悪影響が出ないように上手く付き合う」ことが大切です。
しみず歯科では、畳の小上がりでリラックスしてお話を伺いながら、マウスピースという「ハード面」と、認知療法という「ソフト面」の両方から、あなたをサポートします。
あごの力を抜いて、ふぅっと一息つく。
そんな時間を私たちと一緒に作っていきませんか?
肩こりや頭痛が、お口のケアだけで驚くほど軽くなるかもしれません。
よくある質問(FAQ) | 歯ぎしり・食いしばり編

